■『おひさまえんの保育』・『子育て』と『母親講座』
-2006年2月-

「おひさまえんでの保育」と「家庭での子育て」は車でいえば両輪です。片方の輪だけでは前に進んでいけません。両輪が気持ちよくまわり、進んでいくようにいつもお母さん・お父さんと会話をしながら過ごしていくよう心がけています。さらに、子どもにかかわる深刻な事態が次々と生じてくる中にあっても、本当に大切なものを見失わずに安心して子育てしていけるように、許斐先生(おひさまえんのカウンセラー)に毎月一回来園して頂き子育てについての懇談会を行い、『母親講座』の内容を紹介しています。この懇談会が一人でも多くのお母さんの『母親講座』受講のきっかけになればと心から願っています。

幼い子ども一人ひとりが、
自分のまわりは基本的に信頼し

得るものとして人生を出発させて
欲しいと願っています。

許斐先生の『母親講座(常設赤間会場)』では、親と子どものゆるぎない信頼関係を築いていくためにどうしたら良いかということを、くり返し徹底的に学んでいきます。学んだことを自分の日常生活の中で実践していき、実践し気付いたことや感じたことを自分の言葉で表現し、許斐先生から具体的なアドバイスを受け、それをまた実践します。この繰り返しによって子どもとの信頼関係が少しずつできて深まってくると、子どもはどんどん可愛くなり、子どもとの生活が必ず楽しいものになっていきます。すると、子どもの気持ちも親の気持ちも落ち着き安定してきます。安定した気持ちで子どもと関わっていると、親は今まで感じ取れなかった子どもの気持ちをしっかりと感じ取れるようになっていきます。子どもの気持ちがわかるようになると、子どもの色々な状況(行為)について余計な心配をせずに、安心して子どもと優しい気持ちで関われるようになります。子どもにも親にも嬉しいことですね。

 この毎日の積み重ねの中で、自分(親)自身の中に気付きが生じます。それは、「私(親)自身は私の気持ちをしっかりと感じているだろうか・・・」というような事です。私達おとなは、自分の「考え」はわかっていても、「気持ち」は案外気付いていないことが多いのです。親として子どもとの信頼関係を築いていく日々の実践の中で、自分自身の気持ちもちゃんと感じ把握できるようになっていきます。自分自身としっかりと向き合い対話することができるようになっていくのですね。もちろん「えーっ!これが私なのー」とびっくりしてしまう発見もありますが、そんな自分にも気付き受け入れることができるようになってくると「本当は自分は何をどうしたいのか」がよーくわかって来てそれが次第に実現できるようになってきます。自分の本当の気持ちと意志で行動(表現)できるようになると、また今できていると思っている人もより深めていくことによって、本当に気持ちよくスッキリと過ごせるようになるのです。

 子どもとの磐石な信頼関係を築きたいと強く願う気持を持って『母親講座』を繰り返し受講し続けると、子どもの気持ちがわかるようになり、お母さん自身の気持も把握できるようになり、お父さんの気持も理解できるようになります。お互いを信頼し合って毎日過ごせるようになります。家族全員のしあわせに必ずつながります。

 おひさまえんでは、子どもはできないことをできるようにすることによってではなくて、今できることを好きなことを十分にすることで自ら成長していくと考えています。ですから、子どもがやってみたいこと取り組んでみたい遊びを思う存分にできるゆったりとした時間と落ち着いた空間を確保し、保育者は子どものその時の気持ちをていねいに受け止め要求に応えながらじっくりと関わっていきます。大人の都合による行事や時間配分などで子どもの遊びや生活を細切れにせずに、子どもが自分のペースで自分の生活を築いていくことを基本としています。子どもがそれぞれの可能性を十分に発揮し、どんな事でもそれをそばにいる大人が肯定的に受け止め、共感しあうことで、その子自身の自己実現がなされていきます。おひさまえんは、子どもが充実した自己活動ができ、自己実現をゆっくりと繰り返しながらゆるやかなしっかりとした成長ができる場でありたいと願っています。子どもを信頼し支え、子どもにとって充実した今を過ごし、自分自身が大切にされる生活の積み重ねの中で、自分はかけがえのない尊い存在であることを実感し、自尊感情が育っていきます。自信を持って生きる力を育んでいくことができます。

 このような保育の中で障碍(害)を持つ子どもも、そうでない子どもも、自分の思いでき生きと活動できるようになり、保育者はひとりひとりの育ちをしっかりと援助していくことができると考えています。

 子どもを信頼すること、そして子どもを信頼している自分自身を信頼することはとても難しいことですが、『母親講座』の理論を深く学び、あきらめずに実践を繰り返す中からその力を得て、信頼して過ごしていきたいと思います。親も子も今を、そしてこれから先の人生を安心して生きていけるようにと心から願っています。

あなたの中には必ずその力があります!


■母親講座
初代理事長・故 山崎房一氏(著書に「ガミガミをやめれば子どもはのびる」PHP研究所刊 他多数)により昭和57年に新家庭教育協会が創設され、深刻さを増す家庭教育問題について、随時母(父)親心理学訓練講座や講演会を開催しています。この講座では、まず親自身が自分を100%肯定し、自己を癒して、心の安定と強く生きる知恵を身につけます。その上で、わが子を充分に慈しみ伸ばすことができるので、互いに対等な人間としての「自立」ができるのです。子育てが楽になり、生きることがとっても楽しくなる講座です。個人的な相談や質問にも講師が丁寧にお答えします。宗教、政治及び思想には一切関係ありません。

■許斐より子講師
カウンセラー、新家庭教育協会理事、母(父)親心理学訓練講座講師、大きな耳の会主宰、自分発見・人間関係セミナー講師。 故・山崎房一氏から母親講座を直に学び、昭和63年に新家庭教育協会 九州支部「大きな耳の会」(ホームページhttps://www.ookinamimi.com/  TEL・FAX 0940-35-6378)を設立し、各地で講演・講座を行い、30年間お母さん方の相談に関わり続けています。福岡市教育委員会の生涯学習関係講師として登録されています。福岡県宗像市在住。